8 – 1 求人広告の手配

クリニックの開業に向けて質の高いスタッフを採用するためには、求人広告の手配が重要です。求人媒体の選定は、採用の目的や対象に合わせて適切なものを選びましょう。以下に、各求人広告媒体のメリット・デメリットを比較した一覧を紹介します。

求人媒体の種類

  1. ハローワーク
    ハローワークを利用する最大のメリットは、採用にかかるコストはゼロであることですが、専門の資格を持っている方は失業登録をしないことが多いため、有資格者の採用には向いていないこと、無職の期間が長い方、前職を解雇された方が面接にくる可能性があることがデメリットになります。利用する場合は他の方法と併用したり、採用スケジュールに余裕を持たせたりする必要があるでしょう。
  2. インターネット求人募集サイト
    近年、インターネットの求人サイトからの応募が増えており、比較的安価に利用できるため効果的です。以下の媒体がよく使用されます。
    ・とらばーゆ
    ・マイナビ
    ・エンゲージ
    ・indeed
    ・タウンワーク
    注意点:基本は掲載費用がかかります。特にエージェントを利用する場合は成功報酬が発生します。しかし、「こんな人を採用したい」という要望をエージェントに伝えることで、職業意識の高い人材の採用が期待できます。
  3. その他の媒体
    新聞折込チラシ、地域情報誌、フリーペーパー、専門職協会(例:日本視能訓練士協会)での募集、知人からの紹介なども検討できます。

求人広告媒体の種類と比較

媒体メリットデメリット
1. ハローワーク◼︎採用コストがゼロで、
費用を抑えられる。
◼︎専門資格を持つ人材が少ないため、有資格者の採用には不向き。
◼︎無職期間が長い方や前職を解雇された方が応募する可能性がある。
◼︎他の方法と併用が必要な場合がある。
2. インターネット
求人募集サイト
◼︎応募者数が増加傾向にあり、多くの応募が期待できる。
◼︎他媒体に比べてコストが比較的安価。
◼︎広告会社を通じて手配が容易。
◼︎エージェント利用で職業意識の高い人材を採用できる可能性が高まる。
◼︎掲載費用がかかる。
◼︎エージェント利用時は成功報酬が必要。
3. その他の方法◼︎地域や専門職に、直接アプローチできる。
◼︎日本視能訓練士協会を通じて専門資格者を採用できる可能性。
◼︎顔なじみの採用で信頼性の高い人材を確保。
◼︎掲載や配布に費用がかかる場合がある。
◼︎情報拡散範囲が限定的で応募者数が限られる可能性。
◼︎手配や調整に時間と労力がかかることがある。

広告掲載のタイミング

  • 開院日の2か月前には求人広告を掲載することが推奨されます。
  • 広告手配に際しては先生が担当することも可能ですが、多忙な開業準備時期には、広告会社や社労士、開業コンサルタントが立ち上げる採用事務局を活用すると良いでしょう。

8 – 2 応募者対応・採用面接

応募が集まったら、迅速に面接予定日を調整します。面接日時の調整には時間を要する場合があるため、余裕を持って対応することが求められます。

面接の準備と実施

  • 面接のスケジュール調整:
    複数の日程を提案し、応募者とスムーズに調整します。
  • 面接実施者:
    先生(クリニックの管理者)が行うことが望ましいですが、採用事務局の担当者や社労士が補助として同席することも有用です。
  • 理念の共有:
    面接時に先生がクリニックの理念を直接伝えることは非常に重要です。応募者が理念に共感し、クリニックと共に成長したいと感じる人材を採用することが推奨されます。

8 – 3 社労士のご紹介(就業規則を決める)

社労士(社会保険労務士)は、労働・社会保険の専門家であり、クリニック運営において欠かせない存在です。社労士は雇用管理を担当し、トラブルを未然に防ぐための労務管理体制を整えます。

社労士の選定

先生が社労士やその法人とのコネクションがない場合は、信頼できる社労士を紹介します。社労士は税理士事務所に所属している場合も多く、包括的な労務サポートが可能です。

社労士の役割

  1. 就業規則の作成
    就業規則は、クリニックで働く従業員の働き方や禁止事項を明文化する書類で、労務トラブルの防止に役立ちます。常時10人以上の従業員を雇用する場合は作成が義務です。社労士は、これを作成・整備するサポートを行います。
  2. 労働契約書の作成と確認
    社労士は雇用契約書の作成や確認を行い、法的トラブルを防ぎます。必要に応じて税理士と連携し、契約書の作成をサポートします。
  3. 社会保険手続き
    社会保険や雇用保険の加入手続きを担当し、労務管理全般を行います。