9 – 1 申請

クリニックを開業するにあたり、必要な行政手続きは多岐にわたります。以下は、主要な申請手続きについて説明します。
1. 地方厚生局・保健所への事前相談
- 地方厚生局は保険医療機関の指定を受けるために、保健所はクリニック開設の許可を得るために事前相談が必要です。内装の図面がほぼ決定した段階で早めに相談するのが理想です。地方厚生局によっては事前相談が不要な場合もありますが、保険医療機関指定申請書に不備がないか確認するために相談しておくことをおすすめします。
関東厚生局- 東京都:kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/gyomu/bu_ka/tokyo/index.html
- 神奈川県:https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/gyomu/bu_ka/kanagawa/index.html
- 埼玉県:kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/gyomu/bu_ka/shido_kansa/index.html
- 千葉県:kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/gyomu/bu_ka/chiba/index.html
- 茨城県:kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/gyomu/bu_ka/ibaraki/index.html
- 山梨県:kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/gyomu/bu_ka/yamanashi/index.html
- 長野県:kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/gyomu/bu_ka/nagano/index.html
- 保健所への事前相談は、内装図面を持参して管轄の保健所にアポイントを取って行います。クリニックの名称、図面上の問題点、開設届提出後の許可取得までのスケジュールを確認しておくと、実際の届け出時の計画が立てやすくなります。
2. 保健所への開設届提出・立会い
- 内装工事が完了し、引き渡しが終わったタイミングで「開設届」を管轄の保健所へ提出します。医療法に基づき、開設後10日以内に提出することが義務付けられています。届出時には、保健所担当者による現地立会い検査の日程を設定します。
- 保険診療を行う場合、保健所からの副本が地方厚生局への指定申請の添付書類として必要ですので、開院予定日の1か月前には取得しておくことが求められます。
医療安全管理指針について:
平成19年の医療法改正により、無床診療所にも医療安全管理指針の整備が義務付けられました。保健所の立会い検査時に確認されることがあるため、医師会のホームページからダウンロードして準備しておきましょう。
3. 保険医療機関指定申請書提出
- 保健所から開設届が受理された後、「保険医療機関指定申請書」を地方厚生局へ提出します。申請は開院日の1か月前に行うことが推奨され、受理までに約1か月を要します。締切日は地域によって異なるため、詳細は地方厚生局で確認が必要です。
- 自由診療のみのクリニックでは、申請は不要です。
4. コンタクトレンズについて
- コンタクトレンズをクリニックで販売する場合、以前はMS法人を設立し別の入り口を設ける必要がありましたが、現在は「交付」という形式により、クリニック内で直接販売が可能です。保健所の事前相談時に確認しておくと安心です。MS法人を設立して販売する場合は、保健所へ高度管理医療機器等販売業の許可を取得しておく必要があります。
MS(メディカル・サービス)法人とは?
医療機関の経営をサポートするために設立される法人です。医療法によって医師個人がクリニックの経営を行うことに制限があるため、業務効率化や経営の分離を目的としてMS法人が活用されます。MS法人の設立には行政書士や法務局を介した手続きが必要となるため、開業前に相談しておくとスムーズです。
9 – 2 資格取得
クリニックの運営において、特定の資格取得は必要不可欠です。これらの資格は極力、院長が取得することが望ましく、院内での安全管理と責任を担う体制を整えることができます。以下は、主にクリニックが取得すべき資格についての説明です。
1. 特定化学物質四アルキル鉛等作業主任者の取得
- 概要:厚生労働省が認定する国家資格で、ガス滅菌器を導入する際に必要です。エチレンオキシドなどの有害物質を扱うため、資格保持者が管理します。
- 取得方法:都道府県労働局長に登録された者が実施する講習を受講し、修了試験に合格することで取得できます。講習は2日間で実施されます。
2. 防火管理者 甲種・乙種
- 概要:甲種は全ての建物に対応でき、乙種は小規模な建物に限定されます。
- 取得方法:消防署に防火管理者の設置義務を確認し、必要に応じて適切な資格を取得します。
9 – 3 その他
クリニックの運営を支えるために、さまざまな業者やサービスとの連携が必要です。
1. コンタクトレンズ業者の紹介
- 概要:コンタクトレンズを販売する際は、仕入れ業者を選定します。図面作成時にトライアルレンズ棚の設置位置を決めておくと後のトラブルを防げます。
- ポイント:場合によっては、先生と直接取引を行うメーカーの紹介も必要です。メニコン社は先生との直接取引きです。
2. 医薬品卸業者の紹介
- 概要:クリニックに必要な医薬品の安定供給を担う医薬品卸業者を紹介します。契約には時間がかかる場合があるため、早めに進めることが推奨されます。
3. 医療廃棄物業者の紹介
- 概要:感染性および非感染性の医療廃棄物の適切な処理を行うため、地域の特別管理産業廃棄物処理業者を選定します。
4. 採血業者の紹介
概要:手術や検査業務をスムーズに進めるため、採血会社との契約を結びます。

