2 – 1 開業目的ヒアリングから経営理念策定までの流れ
開業において、何よりも先に開業目的をヒアリングし、経営理念を策定することは、クリニック経営を成功へ導くために非常に重要です。本章では、開業目的のヒアリングから経営理念の策定、そしてその理念に基づく開業準備までの流れを解説します。
経営理念を作成するメリット
- 開業後の運営において、常に立ち返る原点となる
新機種導入、スタッフの配置など運営をする上で決断をする際の指標にできる。
開業後のトラブルや経営の停滞時にも立ち返り打開策を考えられる。 - 従業員にクリニックの方向性を示す指針となる
クリニックの方向性を示すことで、スタッフが一体感を持って働くことができる。
院長自身の行動規範にできる。 - 対外的な評価、アピールとなる
患者や連携病院に対して、クリニックの価値観や方針を明確に示すことができる
STEP1:ヒアリング
経営理念の策定には、開業の目的が大きく影響します。先生がどうして開業をされようと思ったのか?背景や動機を理解し、理念に基づく開業準備のサポートへと繋げましょう。先生に開業目的のヒアリングを行う際は以下の質問例を参考にしてみてください。
開業目的のヒアリング チェックシート
基本情報
- クリニック名
- 開業場所
- 開業時期
- 予算
- 従業員数(予定)
開業の背景と動機
- 開業のきっかけ
- クリニックの開業理由
- 開業地の選定理由
- 現在の勤務先で満たせなかった点
- 実現したい目標や理想
診療内容とサービス
- 提供する診療内容
- 医療の特徴や強み(他のクリニックとの差別化ポイント)
- 手術治療の有無
- 購入する医療機器の価格帯(最新機種、中古など)
- やらないことの確認
その他
- 地域医療貢献のお考え(大学病院など医療機関と提携、訪問診療)
STEP2:理念の策定
ヒアリングした開業目的の内容を基に、オリジナルのフレームワークに記入し、経営理念をまとめます。記入したシートはクライアントに渡し、会社でも保管しましょう。
Point!
経営理念が策定できても、売上・利益が継続的に得ることができる内容であるか確認が必要です。利益の見込みがあるか、開業予定地の市場動向や競合状況を調査し、先生の強みを活かせる戦略になっているかをチェックしましょう。
STEP3:理念に基づく開業準備
経営理念が決まったら、具体的な準備に進みます。理念に基づいて土地選びや事業計画の作成、内装デザイン、スタッフ採用などを行います。これにより、ぶれないクリニック運営が可能になります。
2 – 2 エピソード
内装業者の手術室施工ミス

クリニック開院のためA先生は内装業者選定の際、見積り提示が最も安かったB社を選択されました。眼科施工実績も少なく、手術室施工経験のないB社が施工した手術室は、床下の補強が甘かったため人が歩いただけで顕微鏡や白内障手術装置が揺れてしまうという事態を招いてしまいました。
当然、手術に大きく影響するため再施工を依頼し床下の補強(コンクリートの流し込み)を行い揺れは収まったのですが、コンクリートが均等ではなかったため床に凹凸が出来てしまいました。
手術に支障はないという事でA先生は渋々了承して終了となりました。経験豊富なSPの助言や、眼科手術室施工実績のある内装業者を選択していれば防げたことかもしれません。

