4 – 1 開業資金の把握

開業資金を把握することは、クリニックの成功の鍵となります。特に眼科クリニックでは、診療内容や設備によって開業資金が大きく変わるため、適切な見積もりを行うことが重要です。

開業資金の目安

開業エリアによりますが、眼科の開業資金の相場は7,000万〜1億円程度です。
手術に対応するクリニックを開設する場合は、追加で5,000万〜1億円の費用がかかることがあります。

4 – 2 収支計画書作成の流れ

収支計画書とは、事業から発生する収入と支出を計算し、その結果どれだけの利益が残るかを示す書類です。収支計画書は、クリニックのキャッシュフローを把握し、金融機関からの融資を受けるためにも重要な書類です。収支計画書の作成は協力会社に依頼することが推奨されますが、リィツメディカルでもサポートが可能です。

STEP 1:固定費の算出と記入

  • 家賃、水道光熱費、人件費、広告宣伝費などの固定費を算出します。
  • 定期的に見直しを行い、実際の支出に基づいて調整します。

STEP 2:借入金・利息額の算出と記入

  • 融資を受ける場合、借入金額、返済期間、利息額を算出します。
  • 一般的に自己資金は融資金額の最低10%以上を見込んで計画します。

STEP 3: 粗利率の算出

  • 粗利益(診療報酬などの売上から医療消耗品や人件費を差し引いた額)を算出します。眼科の粗利率は約30%が平均です。

計算式:粗利率 = 粗利益 ÷ 売上高 × 100

STEP 4:損益分岐点売上高を割り出す

  • 損益分岐点とは、ある事業において売上と費用がまったく同じ金額、つまり利益がゼロになる売上のことです。損益分岐点を上回る売上があれば利益が出て黒字になり、下回ると赤字になります。

損益分岐点売上高と損益分岐点比率の計算式

  • 眼科の損益分岐点比率は、55%前後が平均的です。

4 – 3 税理士・社労士の紹介

クリニック経営では、信頼できる税理士と社労士のサポートが欠かせません。開業前から税理士や社労士を選定しておくことで、スムーズな経営が可能になります。

  • 税理士の役割
    税務申告や経理サポートに加え、融資の交渉や節税対策のアドバイスも提供します。開業後も長く付き合える税理士を選定し、資金管理の支援を受けましょう。
  • 社労士の役割
    労務管理や社会保険手続き、従業員の給与計算を担当します。税理士事務所と連携していることが多く、両者を同時に依頼するのがお勧めです。

リィツメディカルの税理士・社労士リストを活用し、適切な専門家を選定します。

4 – 4 事業計画書の作成

事業計画は、安定して経営を続けていくためにクリニック経営の戦略・資金計画などを中長期目線で可視化し道筋を立てるほか、融資を受けるためにも必須となります。

クリニック経営の可視化

  • 開業後の資金難を回避するために計画を立てる。
    • 必要以上の医療機器の購入を避ける。
    • スタッフの雇いすぎを防ぐ。
    • 無駄な出費を抑え、資金繰りのトラブルを防ぐ。

金融機関の審査と事業計画書

  • 融資を受けるためには、事業計画書の作成・提出が必須。
  • 金融機関の審査ポイント
    • 事業計画に無理がないか。
    • 融資額の返済が可能かどうか、説得力のある計画が求められる。

事業計画書の作成方法

開業目的の明確化

何のために開業するのか(したいのか)は診療方針、事業方針を確定する上で極めて重要になってきます。患者さん一人一人に向き合った納得のいく診療をしたいのか、ライフスタイルなのか、収入、時間なのか目的によって開業にかける資金も場所も変わってきます。

資金計画

クリニック立ち上げに必要となる費用を把握し、事業継続に必要な運転資金も確認します。自己資金がどれくらい出せるのか、金融機関からの融資がどれくらい必要なのかを検討します。

運営計画

ビル診断なのか戸建てなのか。賃貸か自前か。診療時間や休診日をいつにするのか。薬は院外か院内処方か、スタッフは何人採用してその構成をどうするのか、等を具体的に検討します。

収支計画

調査に基づいた来院予測患者数、単価などの収入から人件費、固定費などの支出を差し引いて採算が合うかどうか計画します。

4 – 5 融資

金融機関の紹介

金融機関からの融資を受けるには、事前に条件を確認し、適切な金融機関を選ぶことが重要です。リィツメディカルは、「2.必要書類の準備・申し込み」⁨⁩に必要な医療機器の見積書を準備します。必要に応じて、融資の条件確認・金融機関の紹介・事業計画書と物件の内容がわかる書類の準備もサポートします。

融資の流れ

  1. 金融機関の紹介
    業者リストから金融機関を選定し、適切な金融機関を紹介します。
  2. 融資の条件確認
    金融機関ごとに融資条件が異なるため、金額、返済期間、金利、保証人の有無などを確認します。
  3. 必要書類の準備・申し込み
    融資を受ける金融機関が決まったら、必要書類を準備して提出します。金融機関は書類を基に審査するため、漏れがあると融資を受けられないので注意が必要です。主に必要となるのは次のような書類です。
    • 本人確認書類
    • 医療機器の見積書
    • 事業計画書
    • 物件の内容がわかる書類
    • 経歴書、確定申告書、資産状況書類
    • 内装・建築の見積書
  4. 融資の担当者との面談
    書類を提出し、担当者との面談を行います。業務内容や利益の見込みをしっかりと伝えることが重要です。
  5. 融資審査
    書類と面談内容を基に審査が行われます。審査期間は約1か月ですが、追加資料を求められることもあります。
  6. 融資決定
    審査に通過すれば、融資が正式に決定します。